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2008.03.14(Fri)

fate×空の境界SS 第四話 

第四話:境界

Third person aspect 『shiki』

「おい、幹也」
冬木市郊外のとあるビジネスホテルの一室。
部屋の中はなぜか薄暗く、日の高いこの季節でも、もうすぐ夜と呼べる時間であるにも関わらず、電気の一つも点いていない。
「おい……おい、幹也起きろ。おい」
その薄暗い部屋では、時代錯誤な着物に身を包んだ10代序盤の少女が居間にあるソファーに腰掛け、寝室のベッドにいるのであろう「幹也」という人物に声をかけていた。
その容姿は端麗と言っても全く過言ではないほど美しいものであり、肩のあたりで短く切りそろえられた真珠のように美しい黒髪は、その中性的で精悍な顔立ちとよく合っていた。
「幹也。起きないと放っておくぞ」
「ん―――ああ、ゴメン今起きたよ」
少女の、物静かで、しかしドスの聞いた声にやっと反応したのか、「幹也」はベッド寝ていたは気だるそうにのっそりとベッドから体を起こした。
「幹也」は短めの髪に黒い縁のメガネをかけた男性であり、少女より少年上の10代後半程度、その服装は自身のファッションセンスによるものなのか、全身黒一色である。
「幹也。お前少し寝るとか言って、半日も眠りこけていたぞ」
少女は大青年が起きるのに待ちくたびれていたのか、至極不機嫌な顔つきで頬杖をついている。
「だけどさ、昨日は橙子さんに徹夜で「衛宮士郎」のことを調べさせられていたんだ。ハッキリ言って、給与と全く釣り合わない労働だよ」
まだ眠そうな顔で居間へと顔を出した少年は、あくびをしてテーブルに置いてあった冷めたマグカップの中身を喉に流し込んだ。
「それまでに衛宮士郎のことは散々調べてきたはずなのに、昨日になってまた情報に漏れがないかチェックしろっていうんだもん。やんなっちゃうよ」
マグカップの中身が頭を覚醒させたのか、青年は「ン!」と声を出して伸びをした。
「お前は橙子の弟子だろ。理不尽な仕事でも文句をいわずやれよ。」
まだ機嫌は直らないのか、少女はムスっとした顔で言った。
「少なくてもいいんだよ。少なくても。でもお願いだからちゃんと給料日に渡して欲しいよね。『今日は面白い骨董品を見つけてな。あいにく今金がない』で済まされちゃ、貧乏人としては死活問題だよ」
少女の機嫌の悪さには気づかないのか、それともわざと気づかないフリをしているのか、青年は相変わらず気だるそうに少女に話を続けた。
「それにしても橙子さん遅いね。「ちょっと散歩行って来る」って言って出てったまま、結局戻ってこない」
「ああ、橙子なら今日はもう戻らないぞ」
「ん?何で?」
青年はさも疑問そうに、今しがた洗面所で洗った顔をタオルで拭きながら聞いた。
「さっき電話があってな。衛宮士郎の家に泊まるそうだ」
少女がケータイ電話を青年に見えるように掲げる。青年は洗面所から顔を半分出して少女の顔の覗き見て、目丸くしてわかりやすい驚愕の表情をした。
「ウソ!もう衛宮士郎に会ったの?相変わらずせっかちというか何というか」
青年はふぅーっとため息をついて、眉間を押さえた。
「それでだ、今から行くぞ」
青年が身づくろいを整えたのを確認して、少女がバッとソファーから立ち上がり、そのままかけていた皮ジャケットを乱暴にはおった。
着物に皮ジャンという非常にミスマッチな組み合わせであったが、少女はそのことを一寸も気にしていないようである。
「行くって……やっぱ衛宮の家?」
少年は半分わかっていたのか、特に驚く様子もなく聞き返す。
「当たり前だろう?これからが本番だ」
少女はその日本人形のような美しい顔をニィっと歪ませて笑った。
「式、ずい分と楽しそうだね」
少年は床に放り出していた手荷物を拾い上げ、式と呼んだ少女の後を追う。
「当たり前だろう黒桐。久しぶりに本気で殺しあえそうなんだ。最高に楽しみだよ」
美しい少女の表情は、すでに夜を生きる狂人の顔に変貌していた。

そして彼者は夜に留まり。
境界は歪みだす。
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